接着剤や粘着テープはスピーカーコーンを取りつけることができますが、それだけではありません。粘着テープはスピーカーの振動膜の役割を果たすことも可能です。他にもいろいろな機能を持っている粘着テープがあります。例えば冷却、接地(グラウンディング)、消音などの機能を持つほか、航空機にも大量に使われています。粘着テープの用途や機能をまとめてご紹介します。
→粘着テープの性能を決める?基材の種類や特徴をご紹介
テクノロジー
接着剤や粘着テープはスピーカーコーンを取りつけることができますが、それだけではありません。粘着テープはスピーカーの振動膜の役割を果たすことも可能です。他にもいろいろな機能を持っている粘着テープがあります。例えば冷却、接地(グラウンディング)、消音などの機能を持つほか、航空機にも大量に使われています。粘着テープの用途や機能をまとめてご紹介します。
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スマートフォンで長時間電話をしていて、耳が熱くなったという経験をお持ちの方は多いでしょう。電話中でなくても、スマートフォンの内部は常に熱にさらされています。部品固定に使用されている両面粘着テープには、携帯電話の過熱を防ぐ機能ももっています。部品の中には最大で90°Cまで熱くなるものがありますが、粘着テープがオーバーヒートしないように熱を逃がしており、ヒートストレスを全体でおよそ20°C軽減していると言われています。
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少し専門的な話になってしまいますが、その仕組みを説明します。粘着テープはその厚みが薄ければ薄いほど、熱伝導性がよくなります。テサはテープの薄さという点で、世界記録を打ち立てました。総厚はわずか5 µmです。どれくらいの薄さか身近なもので説明すると、髪の毛です。1本はとても細いですが、約50 μmあります。つまり粘着テープは、髪の毛の10分の1も薄いのです。
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多数の電子装置が狭い空間に配置されていると、漏電やショートなどの問題が起きやすくなります。 そんな時、放電、保護、接地という機能を持った粘着テープが役に立ちます。これらのテープはもちろん接着力でその他の製品に見劣りしません。電位のバランスを取り、静電気を逃がすために筐体のケースグラウンドを確保します。ここで使用される粘着テープにはニッケルと銅が添加され、導電性を持たせています。エレクトロニクス業界にとっては、導電性に加えて、薄さが利点となり、あらゆる箇所に使うことができるので、デザイン性を制限しないことも評価されています。
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エレクトロニクス端末の話を続けさせて下さい。スマートフォンをお湯を張った浴槽に落としたらどうなるか、誰でも聞いたことがあるはずです。防水機能を持ったものを除くと、電子機器は水分に対して脆弱です。しかし、スマートフォンの構造を設計する段階で考慮する水分の量は、浴槽の水の量とは次元が違います。スマートフォンにおいて、微量の蒸気や湿気の浸入は許されません。スマートフォンのディスプレイ設計において許容できる水分の浸透量は、牛乳パックへの浸透許容量の1/10万とも言われています。
ここで役に立つのがバリアテープです。このテープはスマートフォンディスプレイのLED部分を室温で数年にわたって密閉し、空気中の水分をシャットアウトします。粘着テープのはくり紙に採用されている特別なDrySeal®ライナーが、製造工場への輸送中に粘着テープにわずかに残留している湿気をスポンジのように吸収するようになっています。
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タッチスクリーンには明るさと高い透明度が求められます。 ここでも粘着テープが使用されています。 粘着テープは何年もの間、スクリーンを曇らせず透明に保ちます。 このような用途の粘着テープは99%の光透過性を実現するために非常に透明度が高くなければなりません。また、優れた耐紫外線性も必要で、厚みも薄くなければなりません。 厚さは25 µm(25/1000 mm)です。 この製品は、クリーンルームで製造されており、 テサのクリーンルームのレベルは、山頂の空気よりも1000倍きれいです。ここでいう山頂とは無人で環境汚染のない、きれいな空気に包まれた場所を意味しています。
→高透明な貼り合わせを実現するOCA
粘着テープの中には音を出すものもあります。これは、粘着剤の中の複雑に絡み合ったアクリル酸鎖分子の優れた音の伝導特性を利用することで実現します。このタイプの粘着テープは、携帯電話の微小スピーカーなどに用いられます。このテープは言葉だでなく、音色と音声も正確に伝えなければなりません。アクリル粘着剤が、2つの高性能フィルムに挟まれた三層構造になっています。高性能フィルムの硬さで加工時の寸法の安定性を実現し、粘着剤の柔軟性が音を完璧に伝導・再現します。総厚は22~60µmです。つまり、スピーカーコーンのテープ固定はもはや応急処置でなく、ハイテクソリューションだと言うことができます。
新車が中古車になるまで、通常は少なくとも数年かかります。 その間、所有者は完璧なドライブを楽しみたいものです。 車内でガタツキ音が聞こえたり、ラジオの音が妨げられるようなことは許されません。テサは高速道路における時速200 kmでの走行にも耐える自動車用の粘着テープを豊富に取り揃えています。粘着テープは、異音や振動、部品の振動音を低減・防止します。
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粘着テープの用途は、2つの物をつなぎ合わせることに限りません。特殊な粘着ラベルを使用すれば、所有者を明示したり、それが正規品であることを証明することが可能です。テサの子会社、テサ・スクリボスが開発した特殊技術により、4層構造のラベルにレーザーで情報を書き込むことが可能になりました。このラベルには、目視可能な情報と、特殊デバイスでしか解読できない情報の両方を書き込むことができます。
tesa PrioSpot®と命名されたこのラベルは、製品に指紋などをラベルとして貼り付けることができ、偽造を効果的に防止します。RFIDチップ、バーコード、QRコードと組み合わせることも可能です。これにより、製造工場から物流会社、税関当局、小売業者、一般消費者まで、サプライチェーンに関係する誰もが、製品が正規品であるかどうかを調べられるようになりました。携帯電話さえあれば、製品が本物であることを証明できます。
→偽造防止を可能にする、ロゴ付レーザーラベル「tesa® 6937 Laser-Label」
時として、粘着テープは長旅に耐えなければなりません。テサの粘着テープは、宇宙空間でも使われています。元々、自動車用のIDラベルとして開発されたtesa® Secure Laser Labelは、宇宙ステーションISSの外側に貼られた状態で、495日間休みなく地球の周りを回りました。これはニール・アームストロングよりも約60倍長い宇宙滞在時間です。もちろん条件は過酷なものでした。激しい温度変化、真空状態、紫外線、衝突する流星塵、微小な宇宙ゴミに耐えねばならなかったからです。しかし、テサのテープはこの試練も見事に乗り越えました。ラベルに書き込まれた全情報は500日を経過した後も読み取ることができました。
→改ざん防止機能を持ったID ラベル、製品情報を見る
話を地球上に戻しましょう。粘着テープの最後の用途は南半球です。この用途では、「テサフィックス」フォーム基材粘着テープは難題に直面しました。具体的な用途は数年にも及ぶ動物の追跡研究です。フンボルト・マゼランペンギンを追跡する小型GPS追跡装置の一部として、このテープは20年以上にわたりフォークランド諸島での使用に耐えてきました。追跡装置がテープでペンギンに直接貼りつけられていたからです。この粘着テープの最大の特徴は、ペンギンの 羽根を傷つけないことと、 もうひとつの特徴は、 塩水と低温に耐えられることでした。
→粘着テープは、耐候性があり頑丈