製品の持続可能性
基準を満たした法人向け製品にサステナビリティマークがつきます
ビジョン
テサではサステナビリティの優先順位を高く設定しています。そして私たちのビジネスをよりサステナブルなものへと変化させるという重要なミッションを遂行しています。私たちはこれまで培った技術やノウハウ、イノベーションへの情熱などを活用し、よりサステナブルな接着ソリューションや製品を生み出していきたいという強い想いがあります。そのためテサのサステナビリティ目標の一つ一つは繋がっていて、互いに影響し合っています。私たちが近い将来に達成を目指していることは、掲げている5つの行動分野にも現れています。
詳しくはサステナビリティ特集ページをご覧ください。→ サステナビリティの取り組みについて
さらに一歩先へ
私たちは自社製品をよりサステナブルなものにするため、日々研究を続けています。より環境に配慮してつくられた製品であることをお客様にお伝えするため、法人のお客様向け製品にテサのサステナビリティマークをつけました。独自に定めた次の4つの基準のうち、いずれかを満たした製品にはこのマークがつきます。
- 自然由来素材(バイオマス)の使用:基材や粘着剤、ライナーなど製品を構成する部材の1つ以上で50%以上バイオマス素材を使用し、かつそれが製品全体の重量の30%以上であること。植物繊維由来の素材はFSC®認証(C148769)などの責任ある調達であるという認証を得ること。
- 再生材料の使用:基材や粘着剤、ライナーなど製品を構成する部材の1つ以上で50%以上再生材料を使用し、かつそれが製品全体の重量の30%以上であること。
- マスバランス方式を用いた材料の使用:基材や粘着剤、ライナーなど製品を構成する部材の1つ以上で50%以上マスバランス素材を使用し、かつそれが製品全体の重量の30%以上であること。なお全てISCCまたは同等の規格で認証を得ること。
- リサイクル適性:INGEDE Method 12(印刷済み紙製品のリサイクル適性の規格)または PTS-RH 021:2012(包装資材のリサイクル適正の規格)のいずれかに適合し、リサイクルできる製品であることを示す認証を得ること。
このサステナビリティマークがついたtesa®製品をお使いいただくということは、つまり私たちが目指すサステナビリティ戦略の力強い後押しとなります。
製品のサステナビリティを追求します
私たちテサは、粘着テープ製品を主軸とした接着ソリューションを世界中のお客様にお届けしています。これまでの研究成果や経験で得たノウハウをもとに、より持続可能な製品の開発を目指します。
サステナビリティの取り組みは、様々な分野に及びます。私たちが重要視するのは、ひとつの側面を切りとらず持続可能性の全体にアプローチすること。また、化学に携わる企業として科学的根拠に基づいた行動をとります。
私たち自身が積極的に取り組むべき分野のひとつが「環境にやさしい原材料を使い、製造工程が起因となる環境への負荷を最小限に抑えること」です。
具体的な施策として、植物由来のバイオマス材料や再生材料の使用量を増加させます。また、有機溶剤を使わず粘着剤を塗工する製造技術をさらに磨き、対象製品を拡大させます。溶剤の使用を避けられない場合は、使用済みの成分を回収してリユースする技術の向上を目指します。これに加え、責任あるサプライヤーから原材料を調達することも私たちの責務です。
一方で、私たちの製品がもつ特性によって企業の最終製品や製造・加工工程のサステナビリティ向上を目指す計画も進行しています。修理やリサイクル、分別の観点からも粘着テープに注目が集まっています。
粘着剤の配合を調整しておけば、接合したものを後から取り外せることも粘着テープの利点。取り外せず使い捨てるしかなかった部品も、あらかじめ粘着テープでくっつけておけば取り外して修理するという選択肢がうまれます。ネジや溶接・はんだ付けしていた部分の置き換えとして粘着テープの活躍が期待されています。従来の接着方法より粘着テープの方が軽くなったことで、自動車の燃費改善につながった例もあります。
製品のライフステージすべてが対象です
粘着テープのサステナビリティを考えたとき、様々な場面が考えられます。例えば、部品固定のように最終的にある製品の一部になることもあれば、マスキングテープのように塗装工程で廃棄されることもあります。私たちテサは、製品のライフサイクル(寿命)の全体を考慮して持続可能性を追求することに決めました。つまり、原材料が生成されて粘着テープが作られ、一生を終える(廃棄される)までの一連の流れのなかで、地球環境や社会に対して及ぼす影響のすべてを考慮するということです。そのため、原材料の調達から製造工程、製品が使用されて廃棄されるまで、すべてのステージで責任をもつということになります。
製品の持続可能性を追求する取り組みの具体例が、2021年に上梓したバイオマス由来の梱包用テープです。tesa® 60400 Bio & Strongは、一見すると普通の透明なフィルムテープですが、製品の98%はバイオマス素材からできています。また、tesa® 4713 Paper Standardは、責任ある資源を使用した紙素材の梱包用テープで、段ボールなどについたままでも古紙のリサイクルに適している特徴をもちます。
残念ながら、製品ライフサイクルすべてで一度にサステナビリティを実現することは難しいのが現状です。現在使用している原材料はどれも長い時間をかけて吟味され、研究を重ねて慎重に選択した素材です。製品の品質を維持したまま別の素材に置き換えることは、容易なことではありません。新しいものとして捉え、製造工程にも工夫し時間をかけて確実に研究を進めていくことが重要だと考えています。
再生材料と自然素材を積極的に採用します
天然ゴムなどの植物由来の素材は、粘着テープの原材料として昔も今も使われています。合成ゴムやアクリル、合成樹脂などが主成分の粘着剤に配合している天然樹脂も、植物由来の原料のひとつです。
2021年、自然素材の原料としてポリ乳酸(Polylactic acid:PLA)と呼ばれる植物性(バイオマス由来)のフィルムを新たに加えました。粘着テープの大部分を占める基材としてポリ乳酸を採用したのは、tesa® 60400 Bio & Strongが自社製品で初となりました。この素材は、責任ある植物資源から抽出したコーンスターチからつくられています。植物(バイオマス)由来の素材を使用する利点は、従来の化石燃料由来のものとは異なり短い期間で再生が可能なこと。限りある資源を守るための手段のひとつとして注目されています。
従来のOPPテープから置き換えることで、焼却処分しても化石燃料由来のCO2排出量を削減できるカーボンニュートラルにつながる施策としても注目されています。
このほかにも、適切に管理された資源(認証林など)が原料の紙を、基材やライナー(剥離紙)として使用した製品を開発しています。自然素材を多く使用した新製品は毎年のように上梓され、法人のお客様や一般家庭にお届けしています。再生フィルムや再生プラスチックを使用したtesa® EcoLogoシリーズも、発売から10年近く経った今ではtesa®ブランドのなかで大きな存在感を示しています。
製品開発は科学的根拠に基づいています
すべての製品は科学的な研究をもとに設計され、厳しい試験を経て誕生します。研究ラボの外で実際に使われる場面でも、表示通りに機能することを確認しています。さらに、独立した認証機関などに評価を依頼することで第三者機関による評価を受ける体制を確保しています。
例えば、2021年に上梓したtesa® 60400 Bio & Strong。バイオマス由来の素材が多く含まれていることを2つの認証機関(DIN CERTCO、TÜV Austria)で確認していただき、双方で最高評価を受けました。
段ボールについたままでも古紙としてリサイクルできる特徴をもつtesa® 4713 Paper Standardは、脱墨(だつぼく。古紙を再生する工程でインキを取り除くこと)の国際団体が定めるINGEDE 12という規格の認証を受けています。
環境負荷の低減を実現するソリューションを提供します
e-モビリティ(自動車の電動駆動化)やスマート端末の分野では、長年にわたってサステナビリティの実現を目指す製品開発を続けてきました。様々な機能を併せもつ粘着テープ開発のスペシャリストとして、各業界のトップを牽引するパートナー企業の皆さまと共に、さらなる技術革新を目指します。数百に及ぶ製品が採用されているなかでも、新製品の開発を並行して進めています。例えば、電気自動車のバッテリーセルの重量を軽くする役割を果たす粘着テープや、ワイヤーハーネスに電気絶縁性を付与するハーネステープなどの開発が進んでいます。
特にエレクトロニクス業界で注目されているのが、特許技術がつまったtesa® ボンド&ディタッチ。繊細なバッテリー部品も簡単に外せる特殊構造の両面粘着テープです。以前はスマートフォンの端末ごと廃棄するしかありませんでしたが、バッテリーを交換して本体を長く使うという新しい選択肢を生み出しました。エンドユーザーは短期間に何度も新しい端末を買い替える必要がなくなり、リペアとリユースの取り組みにつながりました。