失敗を防ぐための
ヒント4選
フレキソ印刷によくある課題とその回避方法
印刷業界で経験を積んだ人なら誰でも、まったく同じ印刷機は 2 つとないことを知っています。効率と品質に影響を与える可能性のある変数は数多くあります。最も一般的な問題、それが引き起こす可能性のある問題、そしてそれらを回避する方法を4つご紹介します。
版清掃
理想的な印版固定は、印刷中に版をしっかりと固定しておき、印刷作業が終わったら簡単に取り外しができることです。そのカギとなるのがお客様の個々の環境・条件に沿った正しいテープの選定や、版とインキの種類、そして洗浄剤や清掃プロセスです。清掃が不十分の場合、印刷中の版の浮き上がりや、剥離時の版の損傷、スリーブとテープの間の空気溜まりなど、多くの問題を引き起こす可能性があります。版の清掃では、スリーブや版のクリーニングに適した溶剤を選ぶことと、版固定前に洗浄剤がきちんと乾くまでの時間を確保することが重要です。そうしないと、版固定後に洗浄剤が蒸発し、気泡や版の浮きが発生することがあります。
版の裏側は、100パーセントのIPAか、IPA溶液に最大20パーセントのアセテートを混ぜて洗浄することをお勧めします。これは版固定前に行うべきで、保管前にも行うのが理想的です。一見、完璧に清掃されたように見える版であっても、インクの残留物が残っていると、プレートの浮き上がりや最終的な印刷品質に影響したり、不運にも版を剥がす作業の際にダメージが発生するまで気づかないということがあります。適切な印版固定用テープを選択するだけでなく、特定の状況に応じたプロセステープやツールを選択することで問題を回避できます。理想的な印版固定を行うために、当社のサポートチームがアドバイスいたします。
温度・湿度の管理
印刷室の環境がわずかに変わるだけで、プロセスに大きな違いが生じます。例えば、テープ、版、スリーブの固定時は温度環境を一定に保つ必要があります。これにより、部材間の湿気や接着不良、版の浮きを防ぐことができます。
温度や湿度、空気循環もインクの転写品質に影響を与えます。特に水性インクやアルコールベースのインクは、乾燥が速すぎたり遅すぎたりすることがあるため、作業環境を一定に保ったり、ドライヤーの出力を調整したりすることが有効です。最良の結果を得るためには、使用環境から製品選択に至るまで、良いバランスを取ることが重要です。
安定した圧力
テープや版を取り付けるとき、特に粘着性の低い粘着テープを扱う場合は、粘着剤が感圧性(圧力がかかることで形状を変化させ、被着体への濡れ性が高まることでくっつく)であることに注意してください。そのため、テープや版の圧力が弱い箇所や、圧力がかからない箇所は貼り付きません。テープがしっかりと貼りつかない箇所から気泡が形成され始め、そこから周囲に広がり大きくなっていきます。したがって、テープの取り付け中にスキージを使用したり、版の取り付け時にゴムローラーを使用したりするなど、常に十分な圧力を加えるようにしてください。
保管方法
印版、テープ、スリーブは、どの部品にも結露が生じないよう、同じ温度レベルで保管する必要があります。スリーブとテープの間などに湿気がこもると、粘着力が弱くなります。tesa® Softprint印版固定クッションテープは、15~35℃の温度範囲内、相対湿度レベル40~60%で保管することをお勧めします。
また、保管前に版の裏面を清掃することをお勧めします。必要以上に版の汚れを放置すると、後にクリーニングすることが困難になります。