粘着テープは多くの産業分野向けに製造されており、その用途は多岐にわたります。 大部分のスマートフォンでは、アプリの数以上に多くの種類の粘着テープが用いられています。 そして、オーストラリアを覆うのに十分な量の粘着テープが、毎日、自動車用ケーブルの結束に使われています。 以下、産業用粘着テープの代表的な用途を6つご紹介します。
産業用途では、どのようなところで粘着テープが使用されているのか?
テクノロジー
粘着テープは、あらゆる産業のあちこちで利用されています。 たとえば、雑誌の表紙印刷を最適化するために使用されていたり、犯罪者を逮捕するのに貢献していたり、時にはコーヒーも温めます。 目立ちませんが、実は数多くの工業製品の製造にも欠かせません。
電気・電子業界
電化製品や電子機器においては、至る所で粘着テープが使われています。 スマートフォンも例外ではありません。 2015年にドイツで行われた調査によると、回答者の17%が携帯電話に31個以上のアプリをインストールしていたそうです。 実は、驚くべきことに、 スマートフォンに使われているテサの粘着テープの数はアプリ数を上回る45にも上ります。
ユーザーがスワイプするタッチスクリーンの下に、数多くの特殊粘着テープが隠れています。 スクリーンの各レイヤーは粘着テープによって接合されています(テープは透明度が高く肉眼では見ることができません)。また、内部の光を遮り、正しい方向へ導くのも粘着テープです。その他にも、熱を分散してプロセッサーの過熱を防いだり、落下時にスマートフォンに加わる衝撃を和らげたりしています。 粘着テープは目立たず、薄いので、どのようなデザインにも使用できますので、LEDテレビ、ノートパソコン、デジタルカメラ、また自動車のナビゲーションシステムなどにも数多く使用されています。
自動車産業
自動車の製造には、1台当たり2~5 kmのケーブルが使用されていますが、それを結束するために毎日おおよそ800,000㎡の粘着テープが使用されています。
合計約50種の粘着テープが、1台の自動車に使われ、世界中を走り回っています。 テープには部品の固定に使われるものから、塗装中に保護材として一時的に使われるもの、または長期間使われるものまで多岐にわたります。 これらのテープは穴を塞ぎ、車体の熱膨張の影響に耐えトリムやシル、クラッディングをしっかり固定したりしています。 さらに、シートとダッシュボードの振動と異音を低減したり、ネジや鋲の使用量を減らし、軽量化にも貢献しています。
紙・印刷産業
産業用粘着テープは印版を正確に固定する作業でも活躍します。 例えば、オフセット印刷の印版固定。 印刷画像が印版の組み換え(印版の印刷ローラーへの固定)の度に変わるからです。 この固定に粘着テープを使用することで、印圧をコントロールし、印刷品質を調整できるようになります。
それとは対照的に、新聞印刷ではスピードが重要視されます。従って、新聞巻き取り紙の交換のために、印刷スピードを落としたりせずに、高速のまま、。紙つなぎができることが理想です。 この場合、巨大なロール紙を装置がフルスピードで稼動している最中に、1秒にも満たない短時間でつなぎ合わせなければなりません。それを可能にする技術をフライングスプライスと呼びます。 ロール交換時の最速スピードは、製紙では、 分速約1900m、商業印刷では、分速600mにも達しています。
ブランド保護
ブランドは産業界にとって、非常に大きな意味と価値を持ちます。 各社が製品の偽造を防ぐことに注力するのは、そのためです。ここでも特殊粘着ラベルが活躍します。 粘着ラベルは産業界全体で、偽ブランド製品の対抗策として使われています。偽ブランド製品による被害総額は、世界全体で年間2300億ユーロにも上ると言われています。
粘着マーキングラベルのtesa scribos®は製品の追跡を可能にし、それが正規品であることを証明します。 データは輸送と物流プロセスを最適化するためにも活用できます。 各製品の生産量とその流通経路を知ることができれば、物流チェーン全体を見通すことが可能になります。
住宅・建材業界
住宅・建材業界向けの粘着テープは窓、ドア、エレベーター、空調設備、家具、ガラスパーティション、ショウウィンドウ、太陽光発電システム、または高層ビルのファサードなどに使用されています。 素材、デザイン、要望は技術の限界に挑む建築家とディベロッパーの「ビジョン」によって変化します。
家電・電化製品産業
冷蔵庫やストーブ、調理コンロは白物家電と呼ばれ、 サイズの大きいものばかりです。 この分野で昔から粘着テープは、輸送時の安全確保や製造工程で使われてきました。 しかし、近年は白物家電にも電子機器や新素材、小さなコントロールパネルなどが組み込まれるようになりました。 それに伴い、特殊な粘着テープの需要が高まっています。 例えば、最新の冷蔵庫は多機能化が進み、タッチスクリーンを使って取り出し口から氷を出したり、コーヒーをいれることが可能になりました。コントロールパネルや取り出し口、装飾ガラスは両面テープで固定されています。 テープは高い接着能力を発揮するだけでなく、環境性能にも悪影響を与えません。