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伸び縮みして柔軟性に優れるゴムは、日々の生活に欠かせない素材です。輪ゴムや風船などの小さくて軽いものから、自動車のタイヤのように大きくて重量のあるものまで、形状や用途も様々です。
天然ゴムは、パラゴムノキという品種の木から採取される樹液(乳液)に含まれているラテックスが原料です。感圧接着剤(粘着剤)として理想的な分子構造をもつため、マスキングテープや梱包用テープなど様々な粘着テープに使われています。
ゴムの木から採取した樹液(乳液)は、そのままでは粘着剤として使えません。ラテックスはタック(べたつき)をもたないからです。しかし、ラテックスの分子構造は非常に長い分子の鎖(ポリマーチェーン)をもち、柔軟性や流動性に優れた特性を示します。さらに、分子が互いに繋がらず絡み合う構造のため粘着剤の形を保とうとする凝集力も併せもちます。
粘着剤は、細かな凹凸に入り込む流動性と形を保つ凝集性のどちらも必要です。天然ゴムの分子構造はこれらのバランスがよく、粘着剤として理想的です。
また、一般的な物質は低温になると流動性が失われ、脆くなりがちです。天然ゴム系粘着剤は低温環境下でも一定程度の流動性を保つことができる点も、大きな特徴といえます。
天然ゴムは合成ゴムと同じくタック(べたつき)がありません。粘着付与剤(タッキファイヤー)を配合して製造するため、食いつきがよく濡れ性に優れます。LSE(低極性、難接着材料)とも比較的相性がよく、被着体の素材を選ばず汎用的に使うことができます。
生活雑貨の補修などに使われる布製の粘着テープなど、様々な部分に貼りつけて使用する製品では天然ゴム系の粘着剤が使われます。ステージ上の立ち位置などの目印(バミリ)として使うわれるガッファーテープも、天然ゴム系粘着剤が塗工されています。
様々な利点をもつ天然ゴム系粘着剤ですが、使用する際に注意すべきポイントもあります。70℃以上の高温環境では粘着剤がやわらかくなります。タックは強まりますが、凝集力と粘着力が弱まる傾向が見られます。これは合成ゴム系粘着剤も同様です。
紫外線(UV)による影響を受けやすい点も注意が必要です。直射日光に晒されると脆くなってしまう場合があります。安定剤を配合することにより、一定程度の耐UV性をもつ場合もあります。
高温になりやすい場所や屋外で使用する場合は、アクリル系粘着剤の粘着テープがおすすめです。
マレーシアやインドネシアで栽培されているパラゴムノキ。採取された樹液(乳液)が粘着テープになるまでの工程を紹介します。
以上が、天然ゴム系粘着剤の主な特徴です。
粘着テープの選定にお困りの際は、当社へお問い合わせください。「どこで」「どのくらいの期間」「どんな目的のために」使用するか、被着体の素材や使用環境などの条件に合った製品をご提案します。