これまで、時代や用途に適応した粘着テープが研究・開発され様々な場面で活躍してきました。1930年代は道路状況が悪かったこともあり、自家用車の揺れの大きさが人々の悩みの種でした。これを解決したのが、振動や衝撃をやわらげるサスペンションという部品に被せるようにして使うゴム製の商品でした。現代では、電気自動車のバッテリー火災が起きた場合に乗客を守るため粘着パッドの開発が進んでいます。
戦後から現代にかけて、ヨーロッパでtesamoll®(テサモール)というクッション付きテープが発売されました。ラジオなどの家庭用品の振動や不快なノイズを防止することができる製品で、多くの家庭で重宝されました。現代ではウェハー(半導体材料)のように薄く特殊な性能をもった製品が最新のスマートフォン内部に採用されており、耐衝撃性能などの重要な役割を担っています。
粘着テープの開発で常に課題となるのが、防火(防炎)や防水、空気の封止などです。ヨーロッパやアジア、アメリカに点在するテサの研究開発施設では、500名以上の研究員がこの難題を解決すべく日々研究を続けています。現在販売している製品は、合計7,000種類以上にまでのぼっています。
粘着テープが発明されたきっかけをご紹介しましたが、いかがでしたか?次回からは、業界ごとにどんな進化を遂げてきたかをご紹介していきます。ぜひあわせてご覧ください。