部品の接着や養生以外の場面では、密封(封止)する用途で粘着テープが活躍しています。私たちテサは建築分野のラインナップ拡充のため、アメリカのマサチューセッツ州ニューベリーポートに拠点をおくFunctional Coatings(ファンクショナル・コーティングス、以下FCs社)を買収し、2018年に完全子会社化しました。FCs社は、一般住宅の外壁内部に使用されている透湿防水シートに粘着剤を塗工する技術に特化した企業です。シートがもつ透湿性の機能を損なわないように粘着剤を塗工することができます。
住宅の外壁を施工する際、通常はタッカーを使って透湿防水シート(粘着性のないフィルム)を貼りつけます。あらかじめ粘着剤が塗布されたシートを使うことでタッカーが不要になり、シート表面や壁面を傷つけずに施工できます。また、タッカー穴がなくなることで防水性能が高まる効果も期待できます。
FCs社はサステナビリティに配慮した加工工程を確立しています。有機溶剤を使用せずブチルハイブリット粘着剤を塗工する溶剤フリーの技術です。ビチューメンソリューション(瀝青)などを使用しないため、有害なVOC(揮発性有機化合物)が発生しません。
お客様の目的に応じて粘着剤の塗工パターンを調整できるため、オールラウンダー的な役割も果たします。粘着剤の厚みを変化させたり、透湿性のあり・なしを変化させることができます。そのため、建築分野で求められる密封性や防水性に適した製品のカスタマイズを実現できます。地下や基礎工事の防水施工や、窓やドアで使われる止水テープにもこの技術が使われています。